起業する前に読みたい本~体験談・ノウハウ篇~

~体験談・ノウハウ篇~

起業すると決意した人にお勧めしたい本があります。起業家の先輩たちが歩んできた道のりから、その苦労や努力を見られる本、起業とはなにか、事業をどうやって展開していくのかと言ったノウハウが判る本、社員をまとめて会社を運営していくための心得が判る本など、いずれの本も起業家にとってとても大切な情報が書かれています。具体的な起業の準備に入るまえに、まずはこれらの本を読んでみてください。

起業の体験談が判る本

角川文庫「青年社長」・・・高杉良
この本はワタミの社長として知られる渡邉美樹のサクセスストーリーを追ったノンフィクション作品です。まだ小学生だった渡邉美樹は、父親の経営する会社の倒産を目の当たりにし、「社長」になることを夢見て佐川急便のセールスドライバーとなって事業資金を溜め、弱冠24歳にして外食系ビジネスを起ち上げます。最初は売上はほとんどなかったそのビジネスを、いかにして月商億単位を稼ぐ大企業へと成長させたのか、そのプロセスが事細かに書かれています。中小企業が大企業に育っていく中での社長の喜びや苦悩、渡邉美樹の人間的な魅力が非常によくわかる本です。「金融腐蝕列島」など、経済界の暗部を描いたフィクションで人気の高杉良が、初めて実名で描いた作品としても注目です。この作品の続編で、米国レストランチェーンとの提携、農業への進出を果たした渡邉美樹の活躍を描いた「新・青年社長」も合せてお読みください。
講談社「裸でも生きる―25歳女性起業家の号泣戦記」・・・山口絵里子
途上国発のブランド「マザーハウス」を起業した著者の半生を描いた自伝エッセイです。小学校でいじめに合い、その反動で中学で非行に走り、高校では強くなりたいと「男子柔道部」に入部。偏差値40から3ヶ月間猛勉強して慶応大学に合格した著者が、アジアの最貧国バングラディッシュに留学し、必要なのは施しではなく先進国との対等な経済活動という理念を持ちます。そして23歳の時に麻を使った高品質バッグを現地で生産し輸入販売する「株式会社マザーハウス」を設立します。数々の失敗、挫折、裏切りに遭いながらも歩みを止めることなく突き進んできた彼女の波乱の半生は、読んでいて非常に参考になることばかりです。何度失敗してもへこたれず、立ち上がり続ける精神力の強さを学べる一冊です。続編の「裸でも生きる2―Keep Walking私は歩き続ける」もお勧めです。
東洋経済新報社「Hot Pepperミラクル・ストーリー」・・・平尾勇司
Hot Pepperは正社員ではなく、非正規雇用者が中心になって創った事業なのだそうです。軽んじられてしまいがちな非正規雇用者を中心にしたチーム作りの理由や、いかにしてチームを編成し成功に導いたのかが描かれています。数々の失敗例、組織をゼロから作る苦労、「Hot Pepper」が計算され尽くされて作られたものだという事実は、起業に際しとても参考になる内容だと思います。臨場感あふれるチームビルディングの様子は、単純に読み物としても面白いです。これを読むと、リクルートが人材輩出企業と言われる所以が判る気がします。Hot Pepperという誰もが知っている媒体がテーマとなっている点もお勧めポイントです。また、サブタイトルとなっている「リクルート式『楽しい事業』のつくり方」という部分も大変参考になります。

起業のノウハウが判る本

アスペクト「アメリカの高校生が読んでいる起業の教科書」・・・山岡道男・淺野忠克
アメリカでは高校生の頃から起業と会社経営の基礎を学ぶのだそうです。この本はアメリカ経済教育協議会による学生向け経済教育の指導要領「Voluntary National Content Standards in Economics」を日本人向けに分かりやすくアレンジした新しいタイプの起業入門書です。格差社会で弾き飛ばされないために必要な「企業の理念」を学べます。今すぐ実践できる起業と会社経営の基礎知識が非常に分かりやすく書いてある本ですので、起業に関するあれこれを学ぶ際、最初に手に取る入門書としてお勧めです。法的手続きのやり方や実用的な部分に関しては書かれていませんが、経営学のエッセンスを誰にでも分かりやすい言葉で書いているので、シンプルで助かります。タイトル通り「起業の教科書」といったテイストなので、読み終わった後もそばに置いておいて、定期的に読み返して復習するのがいいと思います。
中経出版「100円のコーラを1000円で売る方法」・・・永井孝尚
新人商品プランナーの主人公・宮前久美が、「Appleにできて日本企業にできない壁」を打ち破るべくマーケティングを学んでいくというストーリー。物語形式なので、マーケティングが全く分からない初心者でも気軽に読めるのがいい所だと思います。顧客中心主義とは顧客に振り回されるということではなく、顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え提供することだというのがテーマになっています。コトラーからブルーオーシャン、キャズム理論までを1冊にまとめており、マーケティングの入門書として、また営業職やマネージャー職を務める人にもお勧めの一冊となっています。「マーケティングって何?」という初心者の方は、まずこの本から読んでみましょう。
ダイヤモンド社「売上2億円の会社を10億円にする方法」・・・五十棲剛史
起業の最初の目標は年商2億と言われています。しかし2億円までは割と簡単に成長させられるもの。問題はその後3億円レベルに達した時にピタッと成長が止まってしまうことです。過去に成功してきたやり方がまるで通じないどころか、かえってブレーキを踏んでしまうことに。これは「2億円の壁」と言われていて、多くの経営者がこうした悩みを抱えていると言われています。2億円の壁を突破するにはどうすればいいのか、業績アップの「設計図」がこの本には詰まっています。起業する前からそんな先のことを、と思うかもしれませんが、集客や営業、採用、社員の教育のノウハウなどが乗っていて、非常に参考になるので、読んでおいて損はありません。さっと読んで、時折読み返したい本です。